オルゴールの歴史

オルゴールの誕生と歴史をご紹介します

オルゴールの歴史

オルゴールの誕生と歴史

オルゴールの誕生と発展には、時計職人の技術と深い関わりがあります。起源は中世ヨーロッパの時計塔の鐘の音。スイスの時計職人の手によってシリンダーオルゴールが開発されて以降、蓄音機が普及するまでがオルゴールの全盛期でした。オルゴールの歴史をあらわす動くジオラマはオルゴール堂本館2Fにございます。ぜひお立ち寄りください。

オルゴールの起源は時を告げる教会の鐘の音

オルゴールの起源は中世ヨーロッパ、教会の鐘をならすことで人々に時刻を告げていた時代に遡ります。大小の鐘を紐でひっぱって鳴らしていたものを自動化したのがカリヨンと呼ばれる自動演奏装置です。1381年ブリュッセルで聖ニコラス教会に設置されたものがはじめてのカリヨンと伝えらえています。このカリヨンがオルゴールの起源と言われます。
はじめてのカリヨンが設置され200年以上経った1600年頃から、ヨーロッパ各地でカリヨンがついた時計塔が見られるようになります。

オルゴールのイメージ1

1780年代頃~シリンダーオルゴール誕生

ぜんまいの発明による時計制作技術の発展に伴い、カリヨンはより小さな時計に組み込まれるようになっていきます。1780年代には、時計職人たちが貴族のために、ベルやオルガンのメロディーが流れる音楽入りの時計や、からくりの入った時計を作っていました。
そして1796年、スイスの時計職人アントワーヌ・ファーブルが、ついにシリンダーオルゴールを開発。それから40年ほど経った1840年頃にはスイスのジュラ地方で時計技術に優れた職人の手によってシリンダーオルゴールが盛んに作られるようになります。この時代のオルゴールは家内制手工業で製造されていました。

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1880年代~オルゴール全盛期

シリンダーオルゴールは改良が重ねられ、富裕層である貴族に愛用される高級品として1880年代に全盛期を迎えます。一方、1886年ドイツで、ディスクを交換すればたくさんの曲を楽しめるディスクオルゴールが開発されました。これによりシリンダーオルゴールの問題点が解決され、工場での量産も可能になり、ディスクオルゴールはドイツの重要な産業のひとつになりました。
その後1900年代頃までには大小さまざまなディスクオルゴールが作られ、大きなものはパブなどに置かれコインを入れて音楽を聴くことができました。

オルゴールのイメージ3

蓄音機の普及とオルゴールの衰退

一方、オルゴールが全盛期を迎えると同時期の1877年、エジソンが蓄音機を発明しました。1910年頃には蓄音機が普及し、オルゴールは衰退期に入ります。自動演奏ピアノやストリートオルガンは庶民の間でも人気があったようですが、1920年頃にはほとんどのオルゴールメーカーがなくなり、オルゴールはいったんその歴史に幕を閉じます。
日本にオルゴールが伝わったのは1852年、オランダ人により持ち込まれたと言われています。「オルゴール」は日本独自の呼び名で、オランダ語でオルガンを意味するオルゲルが訛ってオルゴールになったという説もあります。
オルゴール堂2号館では、ディスクオルゴール他、歴史を感じるアンティークオルゴールを多数ご覧いただけます。

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